奥多摩:晩夏のクワ探索

2006.Aug.13

東京の人口が大きく減少するお盆の時期。 カミキリムシ人口も減少してきて、7月から続けてきた今年の調査も だいぶ終わりが近づいてきました。

今日は某掲示板でお世話になっている方々とイッシキキモンカミキリを狙いに行きます。 2週間前、飛翔していた大きな♀を採集しました。 1週間前も多数の個体が確認・採集されたようです。 今回は案内役です、果たして狙い通り採れるのか?


金曜日夜、電車で奥多摩駅へ。 早朝にびおすけさんの車に便乗して待ち合わせ場所に行く予定なので、 それまで灯火採集をしつつ仮眠を取ります。 その予定でした・・・。

駅を降りると、いつもの閑散とした駅前ではなく、 普段の100倍ほどの人が集まっていました。 しかも、いつになく若者が多い・・・・。

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お盆で里帰りしてきた人たちに合わせて お祭りが催されているようです。

仕方ないので、駅から離れて灯火めぐりをすることに。

気温は、20℃あるかないか。 虫の数は極めて少ないです。

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自販機に来ていたタイワンモンキノメイガ。 気に入ったので採集しました。

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イチジク葉裏に静止するキボシカミキリ。 以前採集した関西型とは違い秋に発生ピークがくる関東型です。

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ウスバカミキリ♀とカブトムシ♂の死骸。 こんなところにも生息しているんですね。

終電も終わり、人が少なくなった頃、

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駅前に戻り、仮眠を取ります。

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駅にいたゴマダラシロエダシャク

翌朝

空が明るくなった頃に寒さで目覚め、 やがて駅前に到着したびおすけさんから電話が。 挨拶もそこそこに、さっそく待ち合わせ場所へ。

カーブの多い道を左右に揺さぶられながら<待ち合わせ場所に到着。 クワガタ狙い?の車にまぎれていたまささん親子と合流。 林道へ突入します。

やや下の方に駐車し、歩いて探索することに。 びおすけさんとまささんの楽しいやりとりを聞きながら ヤマグワをチェックしていきます。

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画像が粗いですが、こんな感じで葉脈に沿って食痕があるクワを探します。

道沿いにクワは点々とあり、 梢の方には多かれ少なかれ食痕が見られます。 しかし、時間が早く気温が低いからかイッシキキモンの姿は見られません。

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クワを見ていた時に視界を横切ったノコギリカミキリ♂。 今日、初めてのカミキリムシです。

林道脇の至る所に放置されている伐採木にも一応目を配ります。

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ゴマダラモモブトカミキリ♀。寒さのためか、なかなか逃げませんでした。

目的の虫以外にも気をとられつつヤマグワが多いエリアに到着。 荷物を置いて本格的に探索開始です。

しばらく探索したものの、イッシキキモンは一向に姿を現しません。 まだ時間が早すぎたのか?

時間つぶしとイケマ探索を兼ねて林道をさらに登ることに。

途中、イケマを2株だけ発見。 食痕も見られたものの、ホソツツリンゴカミキリはおらず。

林道を進むと、太い倒木が5分割されて路上に転がっていました。 上の斜面から転がってきたようです。 何気なく目をやると黒い虫が這っているのが見えました。 クワガタみたいな体型、動き。 未採集のオニクワガタか?

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ツヤハダクワガタ♂

赤腐れ材に幼虫が穿孔することが有名ですが、 ちっとも赤くない材に来ていて驚きました。 昆研後輩に遅れること半年、やっと採集できました。

びおすけさんはもっと驚いていたらしく、 持っていたビーティング棒で材を割ろうと 格闘を始めてしまいました。

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2週間前、ホソツツリンゴを採ったヤマグワに到着。 ここで3年前にイッシキキモンを採集しています。 ちょうど日も出て暖かくなってきたので、ここで本格探索第2弾開始です。

しばらく上を見上げていると、 奥の方のヤマグワの梢に何かが飛来するのが見えました。 長い触角が見えます。 みんなに知らせて、長竿で掬うとイッシキキモンカミキリ♂が入っていました。(写真撮り忘れ)

最初の1匹が採れて、みんなの探す目が変わったような気がしました。

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先程飛来した辺りを見上げるまささん、びおすけさん。 私は上の方に戻り、別の木の梢を見ます。

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食痕は2ヶ所あります。 水分不足のためか葉が若干巻いています。 あまり美味しそうには見えません。

ところが、最初の1匹から5分以内、 その巻き気味の右側の葉の上に大きな楕円形の影が動いているのが見えました。 長竿で掬ってみると、

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今度は♀です。わりと大型。

梢であれば多少巻き気味でも飛来するらしい。 そして、今がちょうど活動時間帯なのかも。 期待が高まります。

突然、まささんが梢を掬いました。 網の中から出てきたのは特大のイッシキキモン♀。

「イモムシみたいな影が見えた」

そう、その♀はそこまで巨大だったのです。

そのすぐ後、またも下の梢のまわりを飛翔する個体を発見。 そのまま葉に止まったので、びおすけさん、まささんを呼びます。

「この葉にいます」と

長竿で指し示し、確認したびおすけさんが無事に採集。

その後、粘るものの追加は得られず。 気温が上がってきて虫の動きが活発になり、飛来したと思ったらすぐに飛び立ったり。 この調子ならそろそろ下の方も来ているだろう。 ということで、下のヤマグワエリアに戻ることに。

戻る途中のヤマグワで1♂追加採集。

もとの場所に戻り、探索を開始。 それらしい影は見つけても長竿を伸ばす前に飛び去ったりと、 思うようにはいかず。

上を見上げてばかりでは疲れるので、伐採木を見たり花を見たりと 副産物採集に走ります。

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スキバツリアブ

なかなかハチっぽくて良い虫です。

結局、この場所で追加は得られず、天気も怪しくなってきたので昼ごろに撤収しました。

その後、某所に移動しコウヤホソハナカミキリを狙うも、 時期が合わなかったようでヨツスジハナ、ラミーくらいしかいませんでした。


今回はイッシキキモンに狙いを絞っていたことと、 時期的に他のカミキリが狙いにくいということ、 天気の心配もあり、ヤマグワでちゃんと虫が採れるか少々心配していました。 飛来する時間も限られていましたが、 無事に採れて一安心しました。 この地域には広く薄く生息しているようなので、 今回行った場所以外でも探索するともっと採りやすい木が見つかるかもしれません。

最後になりましたが、採集にご同行くださった びおすけさん、うめちゃんさん、まさパパさん、まささん、 どうもありがとうございました。 奥多摩以外はあまり知らず運も通用するかわからないので また機会がありましたらよろしくお願いします。

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