2006.Dec.3
私は冬になると「にわかオサムシ・ゴミムシ屋」となります。 しかし、このグループは同定がなかなか難しいため、 「原則として、ある程度大きくて模様がある種類を採る」 という軟弱ゴミムシ屋です。
・
とりあえず今日の目標は、 黒地に鮮やかな黄色~橙色の紋を持つという ヨツボシゴミムシの仲間。 多摩川河川敷では
「ヨツボシ」・・・・・・★
「クビナガヨツボシ」・・★★
「ニッポンヨツボシ」・・★
「オオヨツボシ」・★★★★★
が生息しているようです(★が多いほど採りにくいことを表します)。
水田へは午後から行くことにして、 電車を途中下車して多摩川河川敷へ。
いきなりですが、これが今日の採集地です。 大雨で増水した時に上流からゴミや枯れ草や丸太など、 いろいろなものが漂着します。 ゴミムシ類が越冬場所として利用する朽木も たくさん漂着するのでなかなか良い場所です。
・
あちこち歩き回って、良さそうな朽木を探します。 乾燥しすぎず、湿りすぎず、 堅すぎず、軟らかすぎず。 そんな木を根気良く探します。
・
・
・
・
こんな感じの丸太(ヒマラヤスギ?)を発見。 樹皮が浮いた所をはがしたり、 朽ちて軟らかくなった部分を崩していくと、
・
・
・
・
・
ヨツボシゴミムシ
さっそくいました。ここでは初採集です。
・
・
・
・
・
・
・
こんな感じの針葉樹の短い丸太。 まずは起こしてみて下に何かいないか確認。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
アオゴミムシ
裏側にはおなじみの姿がありました。 見る角度によってはこのようなきれいな緑色になります。
・
・
・
・
・
・
しばらく朽木を起こしたり削ったりしますが、 そう簡単に目当てのヨツボシゴミムシは出てきません。 他の昆虫は、わりと出てきます。
キイロテントウゴミムシダマシ
ヨツボシテントウゴミムシダマシ
これら2種がもっとも個体数が多いです。
・
・
・
セイボウの一種
丸太の裏側で力尽きていました。
・
実際にはハサミムシ、ゲジ、クモ、ミミズなど 昆虫以外の生き物の方がたくさん出てきます。 それをかきわけて、ゴミムシを探し続けます。
・
・
・
・
・
朽木を起こしていると、
黒いゴミムシの中に黄色い紋をもつ個体が見えました。
クビナガヨツボシゴミムシ
ヨツボシゴミムシとは頭部の太さが違うので、 一度両種を採って比較しておけばその後はすぐに見分けがつきます。
・
・
・
目標のヨツボシゴミムシ類のうち 「ヨツボシ」「クビナガヨツボシ」は採集できました。
「オオヨツボシ」はまず無理として、 「ニッポンヨツボシ」は採っておきたいところですが朽木の条件がつかめず発見できませんでした。・
・
・
・
昼近くになったので、ついでにマイマイカブリも採集しようと思い立ちますが、 あいにくクワを持ってきていないので林の中で朽木を探します。
しかし、この場所の倒木はどれも堅く乾燥していて、 とてもオサムシ類がもぐりこめそうな状態ではありません。
・
・
・
唯一見つけた、軟らかい倒木にもマイマイはおらず。
・
・
・
・
こうなったら、昨年と同様に、 崖掘りで採るしかないです。 倒木から堅い枝を折り取って掘り棒にして、 河川敷と林の境界にある段差を掘ります。
・
・
・
・
・
枯れ草・ノイバラが表面を覆っていますが、 軍手を装備して除去すると、
こんな感じの崖が出現。 高さは50cmほど、程よく草の根が絡まっています。
掘り棒でも簡単に崩せる軟らかさです(昨年は手で掘ってました)。・
・
そして、
・
・
・
マイマイカブリ
ほぼ1年ぶりの再会。 ここの個体は頭部がやや青いです。
入っていたと思われる場所を拡大。 崖の一番上の部分です。
・
・
・
さらに10cmほど横を少し掘ると、
アオオサムシ
オサムシまで出てきました。 マイマイカブリとアオオサムシが同じ場所で越冬しているとは思いませんでした。
・
・
・
・
この後、さらに掘りますが追加は出ず。 昼になったので水田に向かいました。
今日は目標としてたヨツボシゴミムシ類のうち、 2種類に出会うことが出来ました。 ニッポンヨツボシを見つけられなかったのは残念ですが、 ヨツボシゴミムシの方は初採集でした。 今度は越冬場所の条件をイメージしなおして、 ニッポンヨツボシを見つけてみたいです。