奥多摩:大寒の日

2007.Jan.20

現在、私の体力は人生で最高の時期にあるはず。 でも、人間である以上、加齢に伴う体力の低下は残念ながら避けられない。

昨年はメインフィールドである奥多摩に通い、 限られた時間の中で自由自在に駆け回りました。 社会人になれば、完全な休日が手に入るかもしれません。 代わりに、現在の体力レベルはないかもしれません。 とにかく若いうちにできるだけ通い詰めよう。 ということで、 2007年最初の奥多摩参りに行ってきました。


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事前に得ていた情報の通り、 山の上の方は雪に覆われています。

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常設温度計は氷点下。 ちなみに、今日は大寒です。 こんな日に、気軽に山登りできるのも今のうち。 良さそうな場所に出るまでひたすら登ります。

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下の方は、雪はありません。

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しばらく登ると、所々に雪が残ります。 南側は融けていますが、北側はそのまま残っています。

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そして、さらに登るとかなりの部分に雪が積もっていました。

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シカの足跡もあちこちで見られます。

今回は特に目標を決めていなかったので、 良さそうな朽木を探して削っていきます。

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例えばこんな立ち枯れ。 上の方は乾燥していて全くダメですが、 下の雪に埋まっている部分は適度に湿っていて、柔らかい。

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ちょっと削ると、ポッカリと穴が開きました。

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クロナガオサムシ

これまで何回か登場していますが、平地より一回り小型です。

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別の立ち枯れ。 ここは日当たりが良く、雪はほとんど融けています。

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表面にはルリクワガタ産卵マーク。 相当な数が見られました。

でも、削ってみると内部まで乾燥していて、 幼虫はおろか食痕もほとんどなし。

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こんな幼虫が出てきただけでした。 体長20mmほど、持ち帰って飼育中です。

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さらに別の朽木を削ると縞模様が出現。

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ホンシュウキオビホオナガスズメバチ♀(女王)

普段は毒針が恐ろしいのですが、 氷点下の世界ではまったく動けず。こんなことしても刺されません。

林の中を歩いていると、

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なんか良さそうな朽木が足元に。

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この時はなぜか、近寄らなくてもルリクワガタ産卵マークが見えた・・・。 先ほどの立ち枯れがハズレだったので期待は高まります。

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でも、オオトラフコガネ幼虫しか出ませんでした。

さらに進むと、針葉樹林に突入。 立ち枯れ、倒木はわりとありますがどれもいまいち。

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樹皮下で死んでいたヨツスジハナカミキリ。 あとちょっとで外界に出られたのに。

そろそろ時間なので下山開始。

途中、良さそうな朽木を見つけては崩しますが、 昆虫自体があまり出てこない。 この場所は材の乾燥が激しく、 条件が良い材はほんのわずかです。

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体長30mmほどのカミキリ幼虫。 一体何に化けるのだろうか・・・。

そして、この直後にナタで左手を負傷。 寒いので傷口のわりには出血はありませんが、 急いで下山します。

舗装道路に戻ってきて、 バスの発車までわりと時間があったので最後の悪あがき。

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モミ落ち枝の樹皮下にいたミドリオオキスイ。

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ヤマブドウにできた虫エイ。

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スカシバガの幼虫が潜っています。 ブドウスカシバあるいはムラサキスカシバになるはず


今回は目標も特になかったので、 ひたすら歩いて漠然と朽木を崩しているだけで あまり虫は見られませんでした。

その代わり、今シーズンの有望ポイントをいくつか見つけ、 写真は採ってませんが材も少々持ち帰りました。 次回は何かひとつ目標を立てて訪れたいと思います。

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負傷した左手。次回までには多分治ります。

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