2007.Jan.27
先週負った左手の傷はまだ完治しないものの、 なんとか採集には行けそうです。 今回はちゃんと目標を立てて臨みます。
前回たどり着いた針葉樹の林で、ハイイロハナカミキリ類やトゲフタオタマムシを採る。
あと、先週の事故現場に置き忘れていた タッパーを回収するのも忘れずに。
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大宮での金曜セミナー+二次会の後、 本町水田に戻り短時間の睡眠をとって、 先週とまったく同じ日程で奥多摩に行ってきました。
先週と同じく、山の写真。 前夜に雪が降ったようで、前回よりも山肌は少しだけ白っぽいです。
常設温度計は先週と同じく氷点下。でも、この時期にしては暖かいです。
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山道はうっすらと雪で覆われていますが、日が出てきて解け始めているようです。
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今日の目的地は先週たどり着いた針葉樹の林。 着くまではナタを出さず、帰りに見るべきポイントをチェックしつつひたすら登山です。
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目的地まであと半分ほど来た時、 ある倒木の上になにやら緑色の物体を発見。
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オサムシの前胸
幅は約7ミリで、アオオサよりずっと小さい。 もしかしてエサキオサムシ緑色型?
私はマイマカブリ以外の崖掘りは苦手なので、 夏のトラップ採集に期待します。
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登り始めて3時間経過・・・
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やっと目的地に到着。
ヒノキがあって、
ツガもある。樹木の大半が針葉樹の、真冬でもちょっと暗い林です。
日当たりはさほど良くないので雪も日向より深いです。
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ここでやることは2つ
1.ツガの立ち枯れ・倒木の樹皮下に眠るハイイロハナカミキリ類成虫を探す
2.ヒノキ樹皮下に眠るトゲフタオタマムシを探す
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まずは、1.の立ち枯れ・倒木ですが、 たくさん枯れて倒れているものの、 なかなか良い状態のものが見つかりません。 モミと比べて樹皮が薄いからか、 ハイイロハナカミキリらしき食痕が見つかりませんでした。
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そこで2.のヒノキ樹皮はがしに専念することにしました。 スギと違って樹皮下に空間ができやすく、 虫の越冬には都合が良い樹木です。 日陰側の根元付近の樹皮を優先的に見ていきます。
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まずは、ヒメユミアシゴミムシダマシ。 当初は名前がわかりませんでしたが、初採集です。 クモの巣にひっかかっていますが撮影後にはゆっくりと動いて逃げようとしていました。 これは個体数が多かったです。
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次は、キオビクロスズメバチ女王。 なかなか大きくてかっこいいです。 こちらもクモの巣がからんでいますが、 息を吹きかけると脚と触角が動いていました。
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そして、
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このシルエットは、もしかして・・・
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目標の虫ではありませんでした。種名不明のカメムシ、ひとまず採集。
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この後はゴミムシダマシやクモが多少出てくるだけで、 トゲフタオタマムシは現れませんでした。
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林を少し奥に進むと岩場になってちょっと危険な道になります。
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道の脇にあるブナの立ち枯れ。 直径は50cmほど。近寄ってみると、
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ルリクワガタ類の古い産卵マークが見えます。 かなり乾燥しているのが気になりますが、 ナタで慎重に表面を削っていきます。 材は程よく朽ちており、簡単に削れます。
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5回ほどナタを入れたら、
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出ました。 さらに慎重に周りを削ります。
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アゴが長いので♂のようです。 実は、野外で♂を割り出すのは初めてです。
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続いて♀も。
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発見当初は両方ともルリクワガタだと思っていました。 でも、タッパーに入れて観察してみると、
♂は前胸の幅が狭い
♀は上翅が明るい緑で腹が赤い
これって、ホソツヤルリの特徴ではなかったか?
でも、その場では確信は持てず、自宅で確認することに。
(自宅で確認したらすべてホソツヤルリクワガタでした。)
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さらに進むと、ツガの密度が高いエリアへ。
おなじみのオオトラカミキリの食痕が登場
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この木はあちこちで樹液噴出。 ライバルはまずいないと思うので、 今年挑戦してみる価値があるかもしれません。
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昼を過ぎたので下山することにしました。
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途中、良さそうな場所には随時チェックを入れていきますが、 なかなか虫自体が見つかりません。
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そんな中、一本のシラカンバの枯木に目が留まりました。
カミキリが活動していた時期には新鮮な枯木だったと思われる状態。
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ナタで一部を割ってみると、
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狙い通りカミキリ幼虫が出てきました。 左はトラカミキリ系、右はフトカミキリ系。 何に化けるか楽しみです。
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そして、先週の事故現場に到着。
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この倒木の、矢印の部分を削っていて事故は起きました。 その時、うっかりしてタッパーを置き忘れてきたのです。
ありました。 誰にも拾われず残っていました。 早速中身を確認です。
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無事に1週間生きていました。
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飼育用の材とともに、今度は忘れずに持ち帰ります。
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結構寄り道して時間が迫ってきたので、 早足で下山。 ようやく麓に着きました。
気温は6.8度くらい。 この時期としてはかなり暖かいです。
電信柱にはテントウムシが1匹だけ張り付いていました。 暖かくなって出てきてしまったのでしょう。 この後どうするのか・・・。
今回は目的地と目標をしっかり定めたおかげで特定のエリアで集中的に探索することができました。 結局、目標としていた虫は採れませんでしたが、 ホソツヤルリクワガタやキオビクロスズメバチなど予想外の虫が採れたので良かったです。
来週からはいよいよ就職活動が本格化します。 奥多摩探索をしばらくお休みにするかはまだ検討中です。