摩耶山:始めの一歩

2008.Apr.6

神戸に引っ越してきて、新社会人としてめまぐるしい一週間が過ぎ、あっという間に週末を迎える。初めての一人暮らしはなかなか厳しく、電話も、冷蔵庫も、洗濯機も、ネットも、まだ揃っていないけれど、せっかく関西に来たのだから山を歩いてみよう。まずは、通勤途中にいつも目にする、あの山。その名を冠したオサムシやカミキリでもおなじみの、摩耶山へ。


午前中、区役所に行って用事を済ませ、10時半から自転車に乗って山を目指す。

市街地からもその姿がはっきり見えます。矢印のあたりが、摩耶山のはず・・・。

山が近づいてくると、だんだん坂が急になってきて、変速ギアを装備していない自転車ではかなりつらい。

ケーブルカーの駅についた頃には、もう汗びっしょり。サクラがきれいに咲いていましたが、気分はもう初夏です。

ここ1ヶ月ほどで信じられないほど体力が落ちているので、お手軽なケーブルカーを使って山頂を目指します。

チケットは、高尾山ケーブルよりもはるかにおしゃれ。

「日本屈指の急勾配」との車内放送が流れるなか、ぐんぐん高度を稼いでいき、町並みが眼下に広がっていきます。「日本一の急勾配」の高尾山ケーブルよりも急傾斜部分は多い感じ。

続いて、ロープウェイに乗り込みます。

芽吹きの浅い山肌と、ぎっしり詰まった市街地との対比

そして、頂上付近に到着。高尾山と違い、人影はまばら。

ここまで登ると、遠くの方はかすんでてよく見えません。夜に訪れると、夜景が非常にきれいらしい・・・。

ひととおり景色を眺めた後は、現地環境の下見。古くからの有名産地には、果たしてどんな森が広がっているのか。

展望広場からちょっと下ると、立派な舗装道路に出る。こんな山の上にバスが走っていることに、新鮮な驚きを感じる。道の脇はカエデ並木となっているので、花掬いポイントとなりそう。

道路沿いに良い場所はないかと歩いてみるものの、どんどん開けていって、乾燥が激しくなる。風が吹けば、いろいろ吹き上がってきそうではある。

舗装道路を戻って、わき道に入ってみると、ちょっと良さそうな感じ。この山が模式産地となっているマヤサンコブヤハズカミキリはまだ眠っている頃だろうか。

林内には適度に伐採木が放置されており、期待が持てる。

先月の奥多摩の山中では影も形もなかったシャクナゲが道沿いに生えている。おそらく植栽されたものだろうが、やや薄暗い林内でも立派に生育できるのがちょっと意外だった。

ソボリンゴカミキリは生息しているようなので、夏が楽しみだ。

せっかく来たので何か材でも持って帰ろうということで、舗装道路脇に落ちていたモミの枯れ枝を拾ってみる。車にひかれたのか、すでにバラバラになっているが、いい具合に朽ちている。

手で折ってみると、ゴマフ系の幼虫が出現。何に化けるだろうか・・・・。

山頂にも一応立ち寄り、看板を撮影。高尾山よりも標高は高いが、ブナは生えていない。

下見なのに意外と疲れてしまったので、もう帰途につくことに。全行程を乗り物で行くとかなりの金額になるので、せめてロープウェイの区間くらいは歩いて山腹の様子を探ってみることにします。

寺の跡地なので、立派な階段があります。めぼしいポイントは残念ながら見当たらず。

途中には、こんな開けた場所もあります。ササが健在なのは、奥多摩とだいぶ違うところ。

だいぶ疲れてきた頃に、ケーブルカーの駅に到着。

ゆったりと椅子に座り、静かな山中から、都会の喧騒の中へ・・・。こうして、社会人としての初めての週末は終わった。


今日は下見ということでしたが、シーズンが始まったらけっこう面白くなりそうな印象を受けました。花はカエデ以外には見当たらなかったのですが、伐採木には期待が持てそうです。 次に来る時はコップを仕掛けて、マヤサンオサムシを狙ってみます。

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