2008.Jun.22
4月に初めて摩耶山を訪れた際に見つけた、シャクナゲの葉脈に沿った古い食痕。ほぼ間違いなく、ソボリンゴカミキリのものである。その後、産卵痕や穿孔サインなども見つけ、生息を確信する。しかし問題は、いつ発生が始まるのか全くわからないこと。シャクナゲの若葉が完全に展開する頃だろうと思うのだが、葉の展開がいつ終わるのか、これまたわからない。
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職場あるいは自宅から1時間くらいでポイントまで行けるので、仕事帰りにケーブルカーとロープウェイで通ってみようと思っていたが、高尾山とは違って平日は5時半で営業終了となっている。様子を見に行けるのは、休日しかない。
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先週、ミドリシジミ採集の後にも様子を見に行ったのだが、若葉にわずかながら食痕らしきものが見られた。もしかしたら、今週あたり本格的に発生が始まっているかもしれない。ということで、雨上がりの昼過ぎに、網も持たずに自転車でふらっと出発する。
長竿を持っていないので自転車はこぎやすいのだが、やはり最後の坂道だけは手で押して歩いていくしかない。駅に到着した時点で、すでに山頂付近は怪しい雲に包まれていた。さっさとシャクナゲを見て、ソボリンゴだけ採って、帰ってくれば大丈夫。そう楽観的に考えて、汗びっしょりでケーブルカーに乗り込む。
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ロープウェイから山頂方向を臨む。視界わずか30m、完全に雲に覆われている。自分の見通しの甘さが嫌になるが、すでに往復券(1500円)を買ってしまったのでダメもとで、とりあえず行ってみよう。
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駅の出口から広場(掬星台)を臨むが、すでに何も見えない。雨がまだ降っていないだけマシか。
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カエデ並木のところは空気の流れが悪いらしく、多少視界は良い。2ヶ所あるポイントをさっさと回って、帰ることにしよう。
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ひとつめのポイントに到着。腰より低い株しかないので、覗き込むのが大変。
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昨年の葉には、ちゃんと食痕がある。
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今年展開した若葉には、まだ食痕がついていない。ここはまだ早いのか・・・・。
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近くにツツジもあるので覗きこんでみるが、やはりいない。
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唯一見つけた虫は、ジョウカイボン。
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もうひとつのポイントに期待するしかない。
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移動途中に、今まで気づかなかった小道を発見。伐採木置き場もあるし、セダカでもいないかとチェックしてみる。しかし、そう簡単に見つかるはずもない。奥の方が開けているのでちょっと進んでみる。
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ここだけ木が生えてなくて、ササ原が広がっている。その真ん中に獣道がある(おそらくイノシシの道)。水滴でびしょびしょになりながら進んでいくと、ササの葉の上でじっとしている虫がたまに見つかる。
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キンイロジョウカイ
記念に2匹ほど採集。
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アオマダラタマムシ
ムツボシタマムシより大きいのがポロっと落ちたので、しっかり目で追って拾い上げてみると、やはりこのタマムシ。後輩が採ったのがとてもうらやましかったが、こんな形で出会えるとは・・・。
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ひととおりササ原をチェックして、もうひとつのシャクナゲポイントへ向かう。
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>第1ポイントに到着。こちらの方が日当たりは良く、葉の展開もほぼ終わっている。
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食痕も、先週より少しだけ増えている。どこかに隠れているはずだが、結局見つからなかった。
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このまま帰るのはちょっと悔しいので、先週セダカに逃げられた場所をもう一度見に行く。
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森の中にある、サクラの切り株。
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すぐ近くに、丸太置き場がある。
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キノコが生えているものから、あまり朽ちてないものまで揃っている。先週は、奥の方にあるゴチャゴチャとした枝の上でセダカの小さな♀が樹皮をかじっていた。乾燥が激しいこの山で生き抜いてきた、たくましい個体だけあって、不用意に手を伸ばしたら瞬時に落下してしまい、二度と見つからなかった。
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今回もセダカの姿が材上に浮かび上がるのを期待しながら、材を眺める。
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しかし、奇跡はそう何度も起きるものではないことを思い知っただけであった。
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材を眺めている時点でもう雨が降り出しているのだが、諦めきれずに周辺の材置き場をチェックするも、何も見つからず。
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サワガニが材の上を歩き出した。もう、限界、帰ろう。
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道路に戻ってみると、すでに土砂降り。
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激しく水が流れている。
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雨が降り出したら、少し視界は良くなった。
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まあ、アオマダラタマムシが採れたから良しとしよう。来週こそは、シャクナゲの葉の裏で、きっと・・・・。
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