2010.Jun.20
はやくも6月下旬、梅雨真っ盛り。世間では夏といえば7月からだが、虫屋の季節感覚は少々違う。カミキリ屋の感覚では、平地の”夏”は6月いっぱいでほぼ終了。その後は、逃げる夏を追いかけて山へ登っていくことになる。
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昨日は街中でのんびり楽しく過ごしたので、今日もその調子で。エサの調達を名目にして、近くの丘を少し散策してきた。
今は、ビワが美味しい季節。手を伸ばしたかったが、写真だけにしておいた。
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いつもの道を自転車で進むが、ちょっと寄り道。消滅しつつあるポイントを、一応記録に残しておこう。
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環状除皮から2週間余り。
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群がっていたヨツボシケシキスイの姿は、もうない。
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この個体も、すぐに新天地へ飛び立つことだろう。
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平地の夏を締めくくるのは、アカメガシワの花。
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このフワフワが、意外にも集虫力が高い。でも、前回のクリの花のこともあるので、あまり期待せずに長竿を伸ばす。
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甘い香りを感じながら網の中を覗き込むと、無数のコアオハナムグリとシラホシハナムグリ。
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シラホシハナムグリ
関東ではなかなかお目にかかれないので、ついつい採集してしまう。
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他には特にめぼしい虫はいなかったので、ことごとくリリース。どうも、花掬いが関東のようにうまく行かないな・・・。
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ウシカメムシ
牛の顔に良く似た、ちょっと嬉しいカメムシ。これだけ採集して、今年の平地の花掬いは終了。自転車に乗って、先へ進む。
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池の周りの小道は、どんどん草が生長していく。無数の昆虫が周辺視野で捉えられるが、「今年も会えたね」と心の中でつぶやくだけで写真までは撮らない。でないと、この道を抜けるだけで日が暮れてしまうから。
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その中で、唯一カメラに収めたのが、これ。
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ヒメアトスカシバ
平地で普通に見られるスカシバガのひとつで、ヘクソカズラに虫エイを作る。野外で単独でいるところはたまに見るが、交尾中の姿は初めて見た。
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クリの花は、予想通りすでに散っていた。クリタマムシを採りたいと思ってスウィーピングをするが、見つからない。時期なのか、探し方なのか。生息は確実なので、また来年に挑戦しよう。
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例の、カナメモチ。ルリカミキリの発生もそろそろ終了だが、一応探してみる。
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葉脈に沿った後食痕は増えていたが、主の姿はなし。
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代わりに、ニセリンゴカミキリを採集。道の上をフワフワと飛んでいた。まだ発生しているらしい。
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ここで雨が降ってきたが、とりあえず樹液だけはチェックしておこうと思い、林の中を静かに歩いていく。
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本日の樹液の泉は、甲虫貸切。
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カブトムシも、もう発生しているらしい。夜に来れば、他の虫も見られるだろうか。
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とりあえず、本来の目的を果たすため、林を引き返す。
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クリの葉を、ビニール袋いっぱいに詰め込んでいく。だいぶ大きくなったムラクモカレハ幼虫の食欲を満たすのは大変だ。目的達成の後、クリタマムシがいないかと未練がましく葉をスウィーピングしてみる。
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結果、食べ手がまた増えてしまった・・・。不覚。
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ちょうど雨が止んだので、また降り出す前に丘を降りる。
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帰宅寸前、ちょっと寄り道。春先に目星をつけておいた、とあるイチジクの木。
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丸くかじり取られた葉が、発生のサイン。成虫の発生パターンに東西で違いが見られ、西日本ではこの時期が発生のピークとなる。
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キボシカミキリ♂
なかなかの大型個体だ。
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同、♀
1分も経たぬうちに1ペア確保。これ以上はいらないので、もう1種のカミキリを探す。
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クワカミキリ
こちらは若枝をかじるのが特徴。これからしばらくの間は姿を見られるので、木が枯れないためにも、適度に採集していくことにしよう。