2010.Oct. 16
季節は、もはや誰も疑いようもなく秋。山の幸を求めて多くの人が山野に分け入るのと同じくして、秋季に成虫が出現するコブヤハズカミキリ類を追い求めて、全国各地でカミキリ屋さんが林床で枯葉を探している時期でもある。
比較的簡単に出会える産地がある一方で、何十年も採集例がない産地もある。六甲山系のマヤサンコブヤハズカミキリも、有名な「幻のカミキリムシ」のひとつ。模式産地の「摩耶山」はおろか、六甲山系からも1972年の記録が最後。でも、ひょっとしたら今でも生き残っているかもしれない。採れるとは思っていないが、体力維持と心のバランスをとるため、2年半ぶりにあの山を訪れてみた。
9時、ケーブル駅に到着。前回と同じく往復券を買って、一気に山の上へ。
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久々に見る、神戸の街並み。
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爽やかな秋晴れのもと、目星をつけた場所へ歩いていく。
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舗装道路から植林へ突入し、地形を見ながら歩みを進める。
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地図には載らない沢に到着。ここから沢沿いに斜面を徘徊。
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伐採から再生した若い広葉樹林の林床には一面のササ。残念ながら風通しが抜群で、湿度は意外と低い。
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植林にもササが進出しているが、マヤサンの隠れ家となる枯葉がほぼゼロ。
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手入れを放棄された植林は、不気味な単色の世界。
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道路から投げ込まれた伐採木を見つけ、幼虫の存在がないか調べてみる。
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幼虫はいくつか出てきたが、コブヤハズ系ではない。ビロウドカミキリだった。
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この場所には見切りをつけて、移動。
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第2ポイント。前回も通ったことがあるが、やはり様子がおもわしくない。
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倒木も、コブヤハズ好みの朽ち方ではなかった。
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遠く三田盆地まで眺めてから、引き返す。
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採集可能エリアではダメだったので、叩き網を片付けてから、ブナ林へ。
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伐採を免れ、なんとか生き延びているブナ。
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採集はご法度なので、カメラに収めるべくひたすら目視で探す。
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条件が良さそうな物件は、いくらでもある。でも、葉をかじった痕跡すら見つからなかった。
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道を外れて奥まで踏み込むのはやりたくないので、ブナ林が終わったところで探索打ち切り。
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ケーブル駅まで戻り、3月まで仕事場だったところを眺める。2年半前もそうだったが、今日も結局一人。
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本当は、道なき道を歩くよりも、
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普通のことがしたいだけなのにな・・・。
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