渓流沿いの散歩道

2011.Oct.4

10月に入り、山は秋の装いになり始めている今日この頃。コブ探しも最盛期を迎え、各地でビーティングの音が響く。周辺地域の有名な生息地は昨年ほぼ訪れているので、今年は新しい場所を開拓してみようと思い立ち、もっとも身近な渓谷へ下見に行くことにした。


朝9時、徒歩10分の最寄駅に向かい、電車ではなくバスに乗る。揺られること30分余りで、終点に到着。

案内に従って参道へ。

川沿いの静かな道を歩いていく。

有名なスギの高木。大阪府で一番樹高が高いらしい。

渓谷の入り口が近づくと、頭上は木々に覆われる。

ここから本格的な散策コースの始まり。

渓谷に響くせせらぎの音を聞きながら歩いていく。


カゴノキ

歩きながら樹相を観察。照葉樹林の中にいることを実感する。


岩を覆い尽くすコケとシダ

川沿いだけに湿度は保たれている。これは期待できるかもしれない。

しばらく歩くと、開けた場所に出た。陽だまりの中にひらひらと舞うものが見えたので近寄る。


アサギマダラ

渡りをすることで有名。どこかから飛んできたのだろうか。

捕まえてみたがマーキングはなし。特に書き込むこともせず、そのまま逃がして散策路に戻る。

しばらく進むと、前方に赤い門が見えてきた。


瑞龍門

山門をくぐり抜けて、さらに奥へ。

しばらくすると、灯火採集ができるポイントを発見。居残り個体を撮影していく。


ヤマトエダシャク


ゴマフリドクガ


クロズウスキエダシャク


シロツバメエダシャク

さらに、自販機からちょっと離れたところも探す。


ヒメツバメアオシャク


ミナミハグルマエダシャク


タイワンキシタアツバ


ヤママユ

だいぶ擦り切れている。


ヤママユ

こちらは新鮮な個体。

これは、夏の蛾像収集が楽しめそうだ。

自販機の近くに伐採木置き場も発見。

木屑がかなり噴出している。ゴマフ系だと思うので、特に触らずに先へ進むことにする。

渓流沿いの散歩も飽きてきたので、目星をつけていた登山道へ入る。

植林の中に伸びる急な登山道で、渓流から一気に離れていく。

灌木はある程度生えているが、乾燥している。

アオキなどの枯葉はそこそこあるが、どれもパリパリに乾いている。

少し登ると、広葉樹が多くなってきた。

太い木も生えていて、ちょっと雰囲気が感じられる。

枯葉を見つけたら手で握ったり、叩き網を忍ばせて叩いたり。

人の手が入っていて枯葉は常に供給されているようだ。しかし乾燥が厳しいものがほとんどで、クモすら少ない状況。

そんな中、この日一番の物件はこちら。このアオキの枯葉だけ、他と違ってしっとりとしている。

なるべく多くの面積をカバーするよう叩き網を配置して、一撃。


ヒナカマキリ

照葉樹林でおなじみの日本最小のカマキリ。生きている昆虫はこれだけであった。

そして、気になるものを発見。

食痕つきの枯葉。このギザギザは、おそらく・・・・。

切り口を見るとまだ新しいようなので、周辺をくまなく叩く。しかし、落ちてくるのはせいぜいクモがいいところ。


マダニの一種

ここにもやはり生息しているのか・・・。夏に来る時は用心しなければならない。

見上げると、ここは完全に植林の中。既存の生息地とはつながっているのだから、いても何ら不思議ではない。果たして、どこに生き残っているのだろうか。

この後、さらに登っていくが乾燥が激しくなるばかり。めぼしい物件を見つけることもなく、尾根筋に出る。

11時50分、展望ポイントに到着。これ以上先に進むことはやめよう。


ヤマトフキバッタ♀

切株の上で一緒に日光浴をしながら昼食。

木々の間からは人工島が見える。普段はあまり意識しないが、こうしてみると結構広い。

昼食後、来た道を一気に下っていく。

参道に戻ってからはゆっくりと散歩するように歩いていく。今回はあくまで下見なので無理はしない。


センチコガネ

これから飛び立とうというところだろうか。他にもひっくり返っている1匹をみかけた。

ちょっとだけ、河原に寄り道。


サワガニ

幼体をたくさん抱えて岸辺の石の下に隠れていた。


ハゼの一種

そこそこの個体数がみられた。


ミンミンゼミ

もう秋になるというのに、まだ生き残っているとは。

14時、バス停に到着。久しぶりで良い運動になった。肝心のコブ探しは、また次の機会に。

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