草原の虫

2016.May.8

4月中旬、昆研後輩のNT氏から夜間採集を誘われる。

過去の記録は不明だが、環境を見る限りその虫はおそらく生息しているらしい。

肝心の場所を聞くと、この冬に怪獣2号と2回ほど訪れた場所と判明。

現地の状況を話すと、条件は整っているので今行けば採れるだろうとのこと。

冬枯れの景色からはそんな虫がいるなんて全然想像もしなかったのだが、

ゴミムシ屋の視点で見ているのだから間違いないのだろう。

しかし、混沌の日常や気象条件の問題により、採集は2回も流れて5月を迎える。

そして、私が奥多摩に向かっている間、NT氏は単独で夜間採集を決行。

なんと、狙い通りにその虫を発見してしまったのだ。

せめて、その虫はどんな環境に住んでいるのかを見ておきたい。

あわよくば、ハイエナ採集にあずかりたい。

そんな思いで、久しぶりに怪獣1号2号とともに現地へと向かった。


14時、現地に到着。

怪獣1号はお昼寝からの目覚めが良く、やる気満々なのに対し、

怪獣2号は寝起きが悪く、歩行拒否したので乳母車へ。

このあたり一帯は人為により草原環境が広がっている。

渡良瀬と違ってオギ群落が多く、どちらかというと乾燥している。

テントウムシや小さなゴミムシなどを見つけたりして怪獣たちのやる気に応えつつ、

とある場所にあるトラップへ向かって延々と歩くこと、30分。

懐中電灯を取り出してトラップを覗き込む。

見慣れた光景だが、1匹だけ雰囲気が違う虫が入っている。

光を最大限に当てて、ようやく状況を理解した。

あとは、慎重に取り出すだけ。

セアカオサムシ

ずっと見てみたかった、憧れのオサムシ。

夜間に活動する姿を見つけたNT氏と違い、トラップに頼った結果ではあるが、

ようやく出会うことができた。

赤、橙、緑、3つの輝きを放って実に美しい。

NT氏が夜中に絶叫した気持ちが良くわかる。

これで、今日はもう帰ることができる。

他のゴミムシも少し確保しておこう。

アオバネホソクビゴミムシ

和名通りの上翅が美しい。

ナガヒョウタンゴミムシ

各地でよく見るが、ついつい確保してしまう。

最近の怪獣1号は虫を再び触れるようになり、手のひらに乗せて観察していた。

来た道を引き返し、車に戻る。

途中、何もいなかったトラップをもう一度チェックするが、やはり何もいない。

そう思って進もうとした時、怪獣1号が呼び止める。

「父ちゃん、虫さんいる・・・・」

確かに、入っている。完全に見落としていた。

ヤマトモンシデムシ

モンシデムシの仲間としては珍しい平地性で、森林ではなく草地に生息する。

生息地は開発の影響を受けやすいため、なかなか得難い虫になりつつある。

「珍しい虫」と伝えると、怪獣1号は喜んでいた。

どこにでもありそうで、意外とみつからない草原環境。

この場所を教えてくれたNT氏に感謝しつつ、帰途についた。

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