奥多摩:霧中の倒木巡り

2017.July.30

普段は奥多摩に行く時は一人だが、今日はゾウムシ屋のY氏も同行。狙いはナツツバキの倒木に集まるアカツツホソミツギリゾウムシ。昨年は急遽キャンセルとなってしまったので、今年こそは。2週間前の時点ですでに発生しているので、天候は良くないが強行することにした。


8時半、奥多摩駅に到着。雨は降っていないが、駅の背後の山は雲に覆われている。日曜日だが登山客は少なく、第3便のバスの乗客も10名ほど。

終点で下車して、集落の中を歩く。山の上の方は完全に雲に覆われている。


谷の様子

2週間前とほとんど変わらない。このあたりでY氏と合流。登山の準備を整えて出発する。

いつもの登山口から登り始める。

湿度100%の中、急斜面を登る。途中、休憩を兼ねて倒木でヒゲナガゾウムシを採る。

尾根に出たところで一休み。

この天候ではビーティングをするしかない。ナツツバキの倒木を探しつつ、ビーティングしながら歩いていく。

今日の狙いの虫を2013年に初めて見つけた御神木。あれから4年、樹皮は黒く変色して当時の面影はない。

途中、ミズナラ立ち枯れにも立ち寄る。前回はオダイがいたが、今日は何もいなかった。ネキはこういう日にどこに隠れているのだろうか。

だんだん霧が濃くなり、雨も降ってきた。このあたりが最もナツツバキの密度が高いので、勝負はここから。

経験上、地上30~50cmほどで折れている新しめのナツツバキが最も良い。その条件に当てはまる、本日最初の1本。

いそうな部分を真っ先に覗き込む。

やっと、最初の1頭が見えた。


アカツツホソミツギリゾウムシ

光量が足りず、まともな写真が撮れない。時間をかけて逃げられても困るので、Y氏を呼ぶ。

写真撮影に集中するY氏。このまま15分ほど被写体と格闘を繰り広げていた。

すぐ近くにもう1本、良さそうな倒木を発見。しかし、こちらには狙いの虫の姿はない。いつもの天候なら複数個体がいるはずなのだが。

撮影終了後、同じ木をさらに探すが最初の1頭のみ。他に良い木があるはずなので、他の物件も叩きつつ、周辺をさらに探索する。

2週間前、ゴイシモモブトカミキリが採れた枯れ枝。


ニセビロウドカミキリ

今日はこれしか落ちてこなかった。

2週間前、トラニウスが飛んできて、オダイが勝手に網に入っていたポイント。今日はシロオビチビカミキリ、ナカジロサビカミキリくらいしか見つからない。

そういえば、森の中がやけに静かなことに気づく。いつもならセミの声が絶え間なく聞こえてくるのに、鳴けないほど気温が低いということか。これでは、虫もほとんど動くことはないだろう。

その後も探索を続けるが、ついに追加のアカツツホソミツギリゾウムシは見つからなかった。

唯一、ドキッとしたのがこの虫。姿形はよく似ているが、類縁関係は遠いセスジムシ科。

2週間前、タキグチモモブトホソカミキリがいた枯枝も今日は沈黙。

雨の日はダメだということを思い知って、下山。最初の1頭がいなかったら、ただの修行になるところだった。あの1頭はなぜ、あの木にいたのか。移動する前に気温が下がって動けなくなってしまったのだろうか。

あいにくの採集となってしまいましたが、お疲れさまでした。今度採集に来る時は晴れた日にしましょう。

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