はじめに

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 東京には虫が少ないと思っている方が多いと思いますが、実は意外と多くの種類が生息しています。東京から採集・記録された昆虫のリストを作成している「東京都本土部昆虫目録作成プロジェクト」 によれば、これまで東京から記録されている昆虫の種数は、

10515種 (2016.8.9 現在)

 しかし、東京の昆虫相は年々変化しており、記録がある種類がすべて現在も見られるわけではありません。

 かつてはありふれた存在だったのに、環境の変化で現在は姿を消してしまった昆虫がいます。極端な例では、遠い昔に1匹だけ採集されて、その後一切発見されていない種類もいます。戦前までは水田や池で普通に見られたゲンゴロウも、1980年代までには残念ながら絶滅してしまいました。

 逆に、昔はまず見られなかったのに、近年急激に増えてきて街中でも普通に見られるようになった昆虫もいます。例えば、街路樹として人気のマテバシイが食樹のムラサキツバメは、かつては西南日本に分布していたものの1990年代に急激に北上し、東京の市街地でもよく見られるようになりました。

 これまで東京から記録されている昆虫たちは、現在も生息し続けているのだろうか?

 21世紀になって昆虫採集を始めた管理人は、現在このことに大きな関心を持っています。特に、専門分野であるカミキリムシは東京から約290種が記録されていますが、中にはたった1例しか記録がない種もあります。人知れず生き残っていることを信じて、自然が豊かな奥多摩町で2002年から調査を続けています。

 このサイトでは、管理人が東京で生息を確認できた昆虫を紹介していきます。


「東京」の範囲について

 このサイトでは「東京地方」(23区+多摩地区)の昆虫を対象にしています。島嶼地域である「伊豆地方」「小笠原地方」は、昆虫相の成立過程が大きく異なるためここでは扱っていません。


写真について

 ”自分の視界を切り取る”ということを意識して、昆虫や生息環境の撮影に臨んでいます。写真を撮るようになったきっかけは大学時代にさかのぼります。最初は採集して標本を作るだけだったのですが、ある時に先輩のデジカメを借りて初めて撮影。生きている姿を記録しておくのも面白いなと思い、2004年3月に自分用のデジカメを購入したのが始まりです。


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