東京の昆虫採集禁止区域

昆虫採集はどこでもできるというわけではありません。
法律により昆虫採集が禁止あるいは制限されている区域が存在します。
昆虫採集をするにあたっては採集禁止の場所をよく調べておく必要があります。


東京での昆虫採集禁止地域は大きく以下の2つにわかれます。

伊豆諸島・小笠原諸島にも多くの採集禁止地区がありますが
ここでは東京地方に限って紹介していきます。

1.国立公園の特別保護地区

tokyo.jpg


1. 特別保護地区 雲取山

2. 特別保護地区 三頭山

 

2.東京都の保全地域

(昆虫採集が禁止されている保全地域が一部あります)

東京都環境局 保全地域の指定状況一覧
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/natural_environment/tokyo/area/area.html

参考文献

東京都建設局公園緑地部(2004). 東京都の公園緑地マップ2004. 東京都


よくある誤解

その1 「国立公園・国定公園 = 昆虫採集禁止」は間違いです。

国立・国定公園には以下の3つの土地区分があります。

特別保護地区              

特別地域(第1種、第2種、第3種に分かれます)

普通地域

このうち、昆虫採集が禁止されているのは特別保護地区です。
そして、特別保護地区は公園全体の面積から見ればごくわずかです。

国立公園・国定公園で昆虫採集者を注意する方々へ

 国立・国定公園内で昆虫採集者を見つけた場合、一律に「ここは国立・国定公園だから昆虫採集禁止」と注意するのは間違いであり、 特別地域・普通地域でとがめた場合は法的根拠のない言いがかりになります。 場合によっては深刻なトラブルとなり、せっかくの登山・自然観察が台無しになることもあります。
 
注意しようとしている場所の土地区分をよく確かめてから「ここは特別保護地区だから昆虫採集禁止」と注意するようお願いいたします。

 

その2 「都立公園 = 昆虫採集禁止」は必ずしも正しくありません。

条例によれば都立公園は昆虫採集禁止とはなっていません。
希少種がいる場所等で採集禁止の看板がある場合もありますが、
それ以外の場所での「節度ある昆虫採集」は規制されるものではないようです。
もちろん、採り過ぎや環境破壊は厳禁です。

また、公園環境の維持を目的として個別に昆虫採集を禁止している公園もあるので、
公園を利用するからにはそのルールに従うことが求められます。

東京都立公園条例
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1011484001.html

参考 東京都報道発表資料(2018年08月27日 生活文化局)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/08/27/20_09.html


昆虫採集禁止ではないが、まぎらわしい保護区

鳥獣保護区

環境大臣または都道府県知事が指定する保護区のこと。
区域内では鳥獣の狩猟は禁止され、生息環境の保全のため管理・整備が行われる。
存続期間は原則20年以内。
鳥獣に昆虫類は含まれません。

鳥獣保護区特別保護地区

鳥獣保護区の中に設けられる特別保護地区。
工作物の設置、水面の埋立、立木の伐採といった開発行為も制限されます。
高尾山、多摩湖付近、御岳山、三頭山、奥多摩湖付近、雲取山麓に設置されています。


最後に...

 採集禁止の場所で昆虫採集をしていると場合によっては犯罪となり処罰の対象になります。それ以上に重大なのは、

「昆虫採集者は違法行為を平気でするもの」との認識を世間一般の人々に広めてしまうことです。

 そうなると規制を強化する絶好の大義名分を与えることになり、世間の目も厳しくなることから、ますます昆虫採集がやりにくい世の中になることでしょう。

 一昔前は違法な昆虫採集行為が新聞でしばしば大きく取り上げられ昆虫採集者への風当たりが非常に強かったそうです。現在はそうでもないようですが、いまだに昆虫採集=悪という考えは根強いようです。

 さらに、一部の虫屋の違法行為や迷惑行為の積み重ねが採集禁止地域を増やし、ただでさえ少ない若手虫屋の未来を奪っている面もあるという印象を私は持っています。採集行為が虫の個体群に及ぼす影響についてはよく考えられてきたと思いますが、

採集行為自体の社会的影響については今まであまり考えられてこなかったのではないでしょうか。

 昆虫採集を趣味とするすべての虫屋さんには、採集禁止の法律がおかしいなどと主張するのも大事ですが、違法行為によって同じ趣味を持つ人すべてが影響を受けることを考えて、次の世代の虫屋も昆虫と自由に付き合えるよう採集活動を行ってほしいというのが、一人の若い虫屋の切実な願いです。

2005年10月13日、昆虫採集歴3年6ヶ月の22歳の学生虫屋より

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