盛夏のやんばる
2008.July.26-Aug.2
沖縄本島の北部は「やんばる(山原)」と呼ばれており、
深い森の中に、ヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネをはじめ
固有の生物が多数生息してきたことは、わざわざ語るまでもないだろう。
沖縄本島には盆と正月に親戚をたびたび訪れていたのだが、
せいぜい本島中部の市街地の公園や農村地域で採集するにとどまっていた。
そこそこ面白い虫は採れるものの、皆伐の過去を持つ場所では出会えない虫も多い。
いずれはやんばるの自然を体感してみたいと漠然と思ってはいたが、
学生時代は石垣島や与那国島を優先したため、ついに訪れる機会はなかった。
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就職と同時に神戸に来たことで、沖縄との距離はかなり縮まり、行きやすくなった。
質素な生活(エアコン未設置、テレビなし、自炊、・・・)に耐えて資金を捻出、あとは時間の問題のみ。
定石では梅雨明け直後の6月中旬がもっとも昆虫の数が多いのだが、
あいにく新社会人にはその時期に長期有給休暇を取る余裕も度胸もない。
7月に入ったところで状況が見えてきたので、いろいろと調整し、
少し早めの夏季休暇を行使することにした。
なお、前週に奥多摩の亜高山帯へ行ったため、情報収集ゼロで臨む。
梅雨明けから約1ヶ月半、おそらく夏枯れが始まっているのだろうが、
山に登ってビーティングや灯火をすれば、まだまだいけるはず。
台風がちょっと心配だったが、幸い台湾の方へ進路を取っており大丈夫。
ということで、初めてのやんばるの森へ。
7月26日(土)
なるべく安い便を選んだので、昼すぎに関西空港を離陸。
飛行機の中で、2日前に買ったばかりの道路地図を広げて行き先を探すが、
すぐに飽きて眠りに落ちる。しばらくして目を覚ましたら、もう着陸態勢。
東京−那覇 ならもっと寝られたのに・・・・。
那覇空港に到着して、すぐにレンタカーを借りて北を目指す。
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約9ヶ月ぶりの本格的な運転なので、短い高速道路でも途中で一休み。
島なので風が吹いているのはいつものことなのだが、
台風の影響で、今日はかなり風が強い。
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ソテツが数株あったので、何気なく近寄ると無数のシジミチョウが飛び立つ。
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クロマダラソテツシジミ
(しまちゃんさんに画像を送り、確認してもらいました。)
昨年は九州や大阪でも発生して注目され、今年も大発生のもよう。
一度採ってみたかったチョウなので、幸先の良いスタート。
2匹ほど採集して、再び北を目指す。
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高速道路が終わり、一般道を走り始めたところで、
「さて、どこに行こうか?」
昆研の後輩たちが訪れた場所を思い出して地図で探すが、
チョウ採集には適していてもカミキリ採集にはイマイチという印象。
(実際に現地から後輩に問い合わせてみると、そんな環境だったらしい。)
そこにはチョウを採りたくなったら寄ることにして、
某山と、某川にとりあえず狙いを定める。
いくらガソリン代が安いとはいえ、あちこち移動するのは時間と金の無駄。
「どこか一ヶ所を拠点にして粘るのが大事」とは、石垣島で出会った同期虫屋の言葉。
某山の方が面白そうな雰囲気なのだが、某川も個人的には捨てがたいので
両方を見て、良さそうな方で粘ることにしよう。
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一般道を突き進み、夕方に某川の入り口に到着。
ちょっと見た感じでは、川沿いにもかかわらず乾燥してて、樹相もイマイチ。
まあ、明日もう一度見てから判断することにしよう。
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某山のふもとに来たところで、あたりは急速に夕闇に包まれる。
これ以上は進んでも無駄だろうということで、ここで寝ることにする。
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オオトモエ
寝る前に付近の灯火を見ると、大きな蛾が飛来していた。
7月27日(日)
夜明けとともに目覚め、コンタクトレンズ装用など身支度を整えて、某山へ向けて出発。
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しかし、すぐにスコールが始まり、身動きできなくなる。
まあ、すぐ止むはずなので車の中で涼みながら待つ。
20分ほどで完全に止んだので、再び山を目指す。
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やがて、目星をつけていた某山に到着。
道沿いの植物が道路まで迫ってきており、適度な日陰を作っている。
雨上がりなので当然湿っているが、この環境なら晴れていてもそれほど乾燥しないだろう。
適当な場所に車を止めて、採集開始。
道沿いに採集ポイントはたくさん見えたが、片側ずつ順番に見ていくことにする。
下り方面に良さそうなポイントが多く見えたので、そちらに向かって歩いていく。
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まずは、車からも見えていた道沿いの伐採枝(おそらくハゼノキ)。
まだ枯葉がしっかりついているので、比較的新しいものだろう。
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枝の絡み具合などをよく観察してから、もっとも良さそうな場所を見定めて一気に叩く。
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網の上には、濡れた枯葉がびっしり。
さて、何か落ちてきただろうか。
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アヤモンチビカミキリ
本島中部でも良く見る、タフな種類。
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アトモンチビカミキリ
同じく、どこでも見られる。
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オキナワハネナシサビカミキリ
これは初採集。名前のとおり翅が退化して飛べないらしい。
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他にはフタモンサビカミキリが落ちてきた。枝が細いからか、地味な小型種が多い。
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続いて、ハゼノキの太めの伐採枝と、枯葉つきの小枝
このようにぶらさがっている枯葉つき枯枝には、
ビロウドやヤハズなど大きめのカミキリが潜んでいるはず。
期待を込めて、慎重に網を下にまわし、一撃。
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オオシマヤハズカミキリ
未採集種が期待通りに落ちてきてくれるとうれしいもの。
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しばらくは伐採枝がないエリアが続き、やがて林を抜けてミカン畑に出る。
その畑の脇に生えていたシマグワの木に目が留まる。
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葉脈沿いの大きな食痕は、まだ新しい。きっと主は近くにいるはず。
しゃがんでも見えそうになかったので、網を下に回して軽く叩く。
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オキナワキボシカミキリ
本島中部でも、よく見る。九州以北のものと違って、灰色が強い。
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せっかくなので生態写真を撮ろうと思い、他に止まっている個体がいないかと探してみる。
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すぐに、触角を発見。
逆光でよく見えないが、やけに体が小さいな・・・・。
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1秒も経たないうちに眼の光量調節が終わり、その姿がはっきりみえる。
「あ、白いぞ。これは・・・・。」
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オキナワジャノメカミキリ
頭の片隅で「採れるかも」とは思っていたが、まさかこんな早くに出会えるとは・・・。
酢酸エチルに晒すと黒く変色するので、チャック付ポリ袋に収納する。
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まだ他にいないかと残りの枝を見て回るが、オキナワキボシが1匹いただけ。
「林縁にあることだし、偶然止まっていただけだろう。」
(ご存知の方も多いと思うが、シマグワは本種の後食植物のひとつ。しかし、この時点ではまったく知らなかった。)
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しばらくすると森が完全に途切れたため、引き返して道の反対側を見ていく。
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先ほどのハゼノキ伐採木の反対側に、枯葉がびっしりついたハゼノキが落ちていた。
他の枝に衝撃を与えないように慎重に網を回し、叩いていく。
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ワモンサビカミキリ
まだ羽化して間もないらしく、とても綺麗。
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オキナワフトカミキリ
本島中部でもよく見る。
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コウノゴマフカミキリ
白紋がとても鮮やか(初採集)。
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オキナワウスアヤカミキリ
これも初採集。ススキで採るのが定石のはずだが、なぜか落ちてきた。
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すぐ近くには枯れたススキがあり、ここから歩いてきて休憩していたのかもしれない。
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このあたりで印象的だったのが、カタツムリの多さ。
叩くとかなりの数が網に落ちてくる。
それだけ普段から湿度が保たれている証拠なのだろう。
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しばらく叩きながら歩いていくと峠を越え、今度は下り坂になる。
さきほどまでと違い、なんだか乾燥している。
道沿いの枯れ枝を叩くとそこそこ虫は落ちてくるが、
その顔ぶれはだいぶ異なる。
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オオクビカクシゴミムシダマシ
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ルリムネオオニジゴミムシダマシ
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ヒメニシキキマワリモドキ
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なぜか、落ちてくるのはゴミムシダマシばかり。
いずれも未採集なのでうれしいのですが、ちょっと離れただけでこうも変わるものなのか・・・。
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しばらく歩くと、日向に咲くヤンバルアワブキを発見。
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強い風の中、たくさんのアゲハチョウ類が飛び回る。
他には、コガタスズメバチもそこそこ来ている。
ただ、風にあおられてほとんど静止してくれないので写真はなかなか撮れない。
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この風では甲虫はあまり来てないと思うが、一応長竿を伸ばして花を掬ってみる。
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イシガキシロテンハナムグリ沖縄亜種
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リュウキュウツヤハナムグリ
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アオヒメハナムグリ(オキナワコアオハナムグリ)
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ホソガタヒメカミキリ
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いずれも、1〜2個体ずつしか網に入らず、花掬いは断念。
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花から花へ遊ぶチョウを眺めていると、
スズメバチとは動きが違う虫が飛来したのを目撃。
正体はすぐわかったので、狙い定めて網を振り抜く。
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オキナワナガハナアブ
採集時点では名前はわからなかったが、この大きさとかっこよさに感激。
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追加個体を狙ってしばらく粘るが、だいぶ暑くなってきたので引き返すことにする。
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途中、何かいそうな気配がしたタイワンハンノキ。
うまく言葉では説明できないが、生えてる位置とまわりの木との関係が絶妙。
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リュウキュウアブラゼミ
姿はアブラゼミに似ているが、鳴声はだいぶ異なる。
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ニイニイゼミ
最初は気づかなかったが、その姿が浮き出てきたときはびっくり。
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その後もゆっくり道沿いを見て回るが、ふと空を見上げると怪しい雲行きに・・。
これは、スコールが来ると直感し、急いで車に避難する。
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ドアを閉めて数秒後に降りだし、間一髪セーフ。
午後から材に飛来する虫を期待していたがこれでは無理だろう。
雨が止むのを待って、某川を見に行くことにする。
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途中の道
灼熱のアスファルトが雨で冷やされ、あちこちで湯気が湧き上がる。
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しばらく車を走らせて、某川に到着。
川遊びに興じる人々が数多く駐車しており、少し奥まで行って車を止める。
日向と日陰が交互に出現し、日向は乾燥が激しい。
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叩き網だけ持って、道沿いを叩きながら歩いていく。
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先ほどまでの某山とは異なり、枯枝からカタツムリが落ちてこない。
日陰といえども、かなり乾燥しているようだ。
アヤモンチビ、アトモンチビすら落ちてこないという信じられない状況。
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10分ほど叩いて、ようやく初のカミキリムシが落ちてくる。
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オキナワノブオケシカミキリ
これも初めて見る。クモガタケシにちょっと似ている。
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いたのは道路脇のこの伐採枝。
その後、似たような枝を叩くがまったく落ちてこない。
この枝だけ条件が良いのだろうか。
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道沿いに堂々と営巣するコガタスズメバチ
ビーティングしているのとは反対側にあったので気づいたが、
もし同じ側にあったら気づかず近寄って襲われたかもしれない。
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だいぶ歩いた末に、タイワンハンノキの倒木を発見。
道沿いに生えていたのが倒れ、通行の邪魔になるので切られて脇に寄せてあった。
枝振りを観察して、一枝ずつ、慎重に叩いていく。
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オキナワフトカミキリ
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オキナワノブオケシカミキリ
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カミキリはこれだけ。期待外れだった。
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チャバネツリアブモドキ
フサフサの毛で覆われている姿は、まさにコウモリ。
これはなかなか良いDipteraなので迷わず採集。
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この後、延々と似たような環境が続くので飽きてきて引き返す。
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リュウキュウハグロトンボ
道の反対側によく見られた。
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某山と某川、両方みた感じでは、やはり山の方が面白そうだ。
川の方は見切りをつけて、山にこもることにしよう。
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その後、少し早めの夕食をとり、車中で寝て夕闇を待つ。
空が茜色に染まる頃、灯火採集のため山に戻る。
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先週の奥多摩でも使った蛍光灯を車の上に置く。
1時間ほど寝てから、集まってきた虫を見てみる。
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アマミヒメクロコガネ沖縄亜種
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アオドウガネ沖縄亜種
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フチトリアツバコガネ
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コメツキムシの一種
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タイワンクダマキモドキ
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オオシマヤハズカミキリ
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あとは鱗翅目が少々。思ったより虫は集まってこない。
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こうなったら日中に叩いた伐採枝を見回るのが有効なのだが、
沖縄の夜の森で動き回る動物の恐怖に打ち勝つまで少し覚悟が必要。
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頭の中のイメージはこんな感じ。
(空港で見たハブ酒)
「道沿いなら、いてもすぐ見えるし大丈夫だろう」
そう自分を納得させて、LEDヘッドライトを片手に車を離れ、恐る恐る伐採枝に近寄る。
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フタモンサビカミキリ
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アヤモンチビカミキリ
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この2種はかなりたくさん見られ、オキナワハネナシサビカミキリも少々見られた。
ビーティングではわからない生態の一部を垣間見ることができた。
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台風は動きが遅く、なかなか去ってくれない。
明日もまだ風が強いのだろうか・・・。
心配を胸に、眠りにつく。
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