秋風に舞う大陸の蛍

2009.Sep.19-23


最終日 9月23日

8時半、起床。周囲はすでにかなり明るい。

雨は夜中も降っていたが、もう止んだらしい。


ツシマヒラタシデムシ

トイレで拾った。これも、対馬特産種。(なぜか大阪平野にも別亜種がいるらしいが・・・。)

さて、船の出発まで残り6時間ほど。すでに体力はほとんど残っていないので、とりあえず海へ。

カーナビにない道を進んで、船がある場所へ。

水面にはカラフルなクラゲが泳ぐ。帰宅後に調べると、タコクラゲという種類のようだ。

海岸線が複雑に内陸部まで入り組んでいるので、海辺といっても砂浜があるわけでも、波が押し寄せるわけでもない。人気のない、静かな一角。

道路の果てにつき、ふと前を見上げる。

ノブドウが生えている。この立地なら、アレが絶対いるはず。


スカシバガの虫エイ

これが、この島での最後の採集となった。

車を返却し、お土産を買って、船に乗り込む。

さらば、厳原港。

さらば、対馬。この後、3時間ほど眠りにつく。

目覚めて甲板に出ると、もう夕方。船は博多へ向けて順調に航海を続けており、夕焼けに包まれる壱岐がとてもきれいに映っていた。


初めて訪れた、国境の島。負のエネルギーは大陸の虫との出会いに変わり、憧れの先輩とも初めて一緒に採集に行くことができ、出発前の寂しさを帳消しにして余りある気力を手に入れた。そして、大陸のホタルの生きざまをこの眼で確かめることにより、探し求める気持ちを忘れずに努力を続けることが大事なのだと、そう、思えるようになってきた。いつかきっと、弱い光が見える空間に飛び込むことができるはずさ・・・。

採集に快く付き合ってくださった昆研先輩のH氏に、最後に改めて感謝いたします。

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